日記

ゆっくり更新

#3.におい

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お疲れ様です、佐藤です。

今年の夏は終わった途端、急に冷え込みましたね。秋をいち早く感じ取った金木犀がそそくさと開花し、例年よりも早い秋の訪れでした。

春の沈丁花・初夏の梔子・秋の金木犀は、"三代香木"と呼ばれ、私たちに季節の知らせを運んできてくれます。どの香木もザックリといえば、"華やかで甘い"ですが、各々の季節に合っている所も魅力のひとつです。

私はこの香りたちによって、思い出されることがあります。"香り(嗅覚)と記憶は密接に繋がっている"というのは有名なお話ですが、私は毎年身をもって体感しています。この心理現象は、"プルースト効果"と呼ばれ、科学的に証明されているのですね。恥ずかしながら、知りませんでした。

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さて、今回はにおいについてのお話です。隣に座った人がタバコ臭い・前に並んでいる人の加齢臭が気になる・すれ違った人の衣服から生乾き臭・・・など、気を遣わないことは悪とされています。

しかし、香りをまといすぎるのも良くない場合があります。例えば、飲食業では提供する料理に影響が出ます。サービス業においても、スタッフからの過度な香りを感じながら、小一時間の接客に付き合うお客様は、意外と体力を削られています。

ある人は、自分の好みに合わない香水を付けている職場の人を、"なめくじ"と呼んでいました。「なぜ、なめくじなの?」と聞いたら、「残り香が凄くて、どの道を通ったか分かるから」と言っていました。それはそれは・・・どんなもんか、逆に気になりました。

その他に、ハンドクリーム・柔軟剤・シャンプー・整髪料など、私たちは無意識に様々な香りをまといます。その中で、自分では気が付けず消すことも難しいにおいが"体臭"です。香りをまとう理由の1つですよね。

"頭に電撃が走った"などといわれる一目惚れは、容姿からのときめきがほとんどかもしれませんが、稀に遺伝子的に感じる"におい(フェロモン)"で惹かれることもあるといわれています。私が、ついついしてしまう癖の謎がこの話をする中で解決しました。

私は誰かと親密な関係を築いていく上で、相手との物理的距離を縮めることを無意識していました(ソーシャルディスタンスといわれる中こんな話ですみません)。そうすると、相手がどこまで自分をパーソナルスペースへ招き入れてくれるかが分かるのと、私自身が頭では守らなければならない(その人との関係性)と分かっている理性を抜きにして感じた"におい"を判断材料にしていました。

今お話している"におい"は、決して花の香りを愛でるような美しいものではありません。私は、寝具・自宅以外の家・汗・脱いだ衣服・人肌からの"におい"について話しています。これらを受け入れられるか否かは、家族・恋人・友人の中でも、限られた人であると思っています。あまり深い話をすると大変なことになりそうなので、このへんで。そういう貴重な人との関係は、慎重に大切に、そして長く付き合いたいものです。

 

最後になりましたが、香りによって情景や感情が思い出される"プルースト効果"に話を戻します。

前職の上司が「高級ブランド店は、いい香りがする」「この香りがすると、〇〇へ来た感じがする」という体験をキッカケに、私が所属していた店舗は業務用のディフューザーを導入したことがありました。これにより「この店舗へ来ると、この香りがする」という、意識づけとちょっとしたブランド力を感じさせよう。という魂胆でした。

そもそも、1店舗が行ったところで全社のブランド力(香り)として浸透はしないですし、所属していた店舗は殆どが一見さん。また、クレームが多く質の悪いお客様も多数ご来店される地域柄でもありました。

私の場合、香りが統一されることで他店を選んでも辛い出来事を思い出すことになるでしょう。また、お客様は店舗を変えたのに同じく嫌な対応を思い出すキッカケとなり、イラつきの原因になります。なんとも恐ろしい、誰も救わせないプルースト効果計画でした。

幸か不幸か、店舗運営の関係で換気がうるさく、自動ドアの常時開放命令が下されました。そのため、上司の計画は失敗に終わり、無駄な経費が数ヶ月間支払われるくらいで済みました。

次回もどうぞよろしくお願いします。

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